2013年4月1日月曜日

朝ドラ「純と愛」 きわめて個人的な総括



新しい年度が始まって気持ちはグイグイ前向きなはずなのに、NHKの朝ドラ「純と愛」が終わってしまった喪失感が大きい4月1日です。(笑)
結構のめり込んで、朝から号泣しながら見てましたから。 (←バカですね〜)

3月30日(土)最終回の視聴率は20.2%。 6ヶ月の平均視聴率は関東で17.1%。ヒットメーカー遊川和彦さんの脚本にしては、期待するほど伸びませんでしたね。そして、最終回のエンディングも賛否両論というか、私のツイッターTLには非難の礫が飛び交っていました。実は私も、あのエンディングなら最終週はナシでいいじゃない!と憤慨したクラスタ。

でもね、面白いドラマでした。黒一面のオセロが、最後の一手で白にパッと変わるみたいに、極端から極端に振れる遊川節を十分堪能したし、役者さんも良かった。特に風間俊介さんの狂気を含んだ演技には目を見張りました。ホント、朝が楽しみな6ヶ月でした。

そこで。このまま何も語らずに終わってしまうのは勿体ないので、個人的な総括をちょっとさせていただきます。(長文注意)


【エンディングは本当にあれで良かったのか?】

脳腫瘍に倒れた愛が、手術後の昏睡状態から純のキスで目覚めるかどうか? これが鍵だったわけですが、結局視聴者の想像力にゆだねるという結果でしたね。よく見ると、かろうじてハッピーエンドと読める仕掛け(魔法の国写真館の待田純さん=寂しそうな笑顔がなんとも…)がつくってあったけど、劇中の登場人物とともに苦難を味わい続けた視聴者はカタルシスを求めているわけで、あれでは不十分。想像力に任せるなんてしないで、ドラマらしく明確に映像化して欲しかった。100歩譲ってあのエンディングを受け入れたとしても、その前の純のモノローグは???でした。父のように、母のように、兄のように、弟のように…って。狩野家メンバー、そんなにお手本になるような人たちだったかな?


【視聴率が意外と伸びなかった理由を考えてみた】

朝ドラの視聴者は、ほとんどが時計代わりにテレビを見ているだろうし、放っておいてもチャンネルはそのままなはず。そこに遊川ファンがプラスされるんだから、普通に考えればレイティングは上がりますよね。では、なぜ? 個人的には、出足の2〜3週間に固定客を逃した。それが大きいと思ってます。そのいちばんの理由は、ヒロインのキャラクター設定が破綻していたからではないでしょうか。

純のキャラクターは、

狩野純 22歳
嫌いな言葉は、「固定観念」、「大人になれ」、「みんなやってる」。
正義感が強く、歯に衣着せぬ態度で言いたいことを言う純は、周囲に煙たがられて孤立。友達もいない。でも「魔法の国」のようなホテルをつくるために、明るく前向きに頑張ってる。

まあ、ひと言で言えば、「トラブルメーカー」なわけです。
いきなり登場した嫌われ者のヒロインを、愛すべきヒロインとして視聴者に短期間で定着させなければならない。それが出来なかったことが要因でしょうか。現に、私もまわりにも、ドラマ開始2〜3週間で「もうバタバタ騒がしくて無理」と脱落した者2名。私も辛かったけど、最初の山を越えたら慣れてきました。(笑)

同じ遊川脚本のドラマに、「曲げられない女」(主演:菅野美穂 日本テレビ 2010年1月〜)がありますが、このヒロインも純にちょっと似ています。

キャッチコピーは「わたし、まっすぐ生きていたいのです。」
曲がったことや無駄を嫌い、いかなる物事もきちんとして、些細な言い間違いですら、その場で正さなければ気が済まない。「すみません、正確に言っておきたいので」が口癖。その為周囲とはいつも軋轢が生じ、璃子と再会し、光輝に出会うまでの32年間友人を作ってこなかった。(wikiより)

ね、似てるでしょう? 

でも、「曲げられない女」は、司法試験に連続10回落ち続けつつも挑み続けるストイックさがあり、彼女の正義は社会的な正義で、自分に対して、世の中に対して曲げられないもの。一方、純のそれは、「深夜にコーヒーを飲みたい客に、なぜホテルのルールだからと言って12時過ぎにコーヒーを持って行っていけないの?」というホテル経営の効率など無視した子供じみたもの。ドラマのキメ言葉「あなたはそのままでいてください」に値するヒロインの正義感が読み取れなかったです。


【オフィシャル・メッセージがブレていた】

このドラマ、最初NHKは、「宮古島出身の一人の女性が大阪で働き、後に夫となる男性と共に夢に向かう姿を描く。」と発表していたんですよね。純愛ものとか、ラブ・コメディとかとも言っていた気がします。でも、ドラマ中盤くらいから、復興支援のメッセージを込めたと発言するようになって、物語もどんどん過酷になっていきました。もし初めから、辛い過酷な環境にいる人が希望を持って立ち上がれるような、そんなメッセージを送る物語、と言ってくれていたら、見ている方も心づもりも出来ていたのに…(泣)。


【最後に、風間さんの演技について】

6ヶ月間、すごく面白くドラマを見ていましたが、個人的な収穫としては、風間俊介さんという役者さんの凄さを知ったことです。この方の、一瞬で皮膚温がサーッと下がり、柴犬のような表情が狂犬のギラつきに変わるところなんて、もうひっくり返りそうでした。純と愛をきっかけに、「それでも、生きていく」、「アキハバラ@deep」、「前橋ビジュアル系」など過去の出演作品も拝見しましたが、この3つはまったく違うキャラクターで質の違う演技を見せてくれています。(って、私べつにジャニヲタじゃないですよ。笑)


あ〜、長々と書いてしまいました。ごめんなさい。でもスッキリ。
いちおう、これで私の「純と愛」は一区切りということで、
さあて、4月を始めようかな。


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2 件のコメント:

  1. 視聴率が伸びなかった理由、まさにその通りだと思います。
    最初の3日で脱落したので、その後どうなったのか気になっていたのですが、ヒロインのキャラクター設定、少し無理がありましたよね。

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  2. コメント、ありがとうございます♪

    >3日で脱落
    あはは。わかります〜。うるさかったですものね。
    私は、「朝ドラっぽい空気」がなんとなく苦手なので、純愛の「朝ドラをぶっこわす」的なトライには拍手だったんですが…。
    注目度が高い朝ドラだと、実験的なことも諸事情で出来なくなっちゃうんでしょうね。

    それにしてもヒロインキャラ、つっこみどころ満載でした。
    情が深くて、困った他人を放っておけないのに、なんで友達いないんだ? とか(笑)
    ちょっと複雑に、アタマでつくり過ぎたかな?

    meさんのブログにも、今度遊びに行かせてくださいね〜。

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